愛すべき犬たち

あれはきっと…

大事な人や愛すべきペットたちとお別れした人なら少なからず同じような経験があるかと思います。

「亡くなった人やペットたちは、時に残された人の傍に鳥や昆虫の姿を借りて会いに来る」説。

父が亡くなった時は蝶々でした。

「綺麗なアゲハ蝶」…と言いたいところですが、ごく普通の紋白蝶(笑)

お墓参りに行く私たちの傍をずっと、付かず離れずの状態で寄り添うように飛んでいたのを覚えています。

そして先住犬のテレジアは「オニヤンマ」。

蜩(ひぐらし)の鳴く頃に旅立ったテレジアですが、旅立ってから数日後に愛用していたクレートを庭で洗っていた時のことです。

テレジアをずっと寝かせていたクレートを、仕舞わなければいけない寂しさを胸に抱きながら、ホースから流れ出る水流を見つめていると、スーッと私の脇をオニヤンマが飛んでいきました。

しかもかなり大き目なオニヤンマだったので、一瞬で「テレちゃん?」と確信しました。

そのオニヤンマ、私の脇から低空飛行で山側に飛んで行って間もなく、また旋回して私の方に向かって来たのでした。

「おー!!テレよ、会いに来てくれたんだ」

信じる信じないは人それぞれですが、お客様たちもそれに類似した体験があったというから、これも真なりです。

それ以来夏になって私の脇を通り過ぎるオニヤンマはテレジアだと思っています。

いつだったか、テレジアの専用出入口の戸口にピタッと停まっていたオニヤンマを目にした時は、

ちょっと感動ものでした。

そして昨日、夕暮れになって庭のコンポストに残飯を捨てに行った母が履物を脱ぎながら

「いやぁ~ ものすごいおおっきなオニヤンマ居た~」とつぶやいたのだ。

言葉には出さなかったけど(母はそういう類は信じない人なので)、あれはきっとテレジアだなと心の中で思いました。

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